探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.645【コウモリ岩を探す】
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コウモリ岩
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コウモリ岩の山容(「月ケ瀬口」駅から)
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 滋賀県と三重県の県境にあるコウモリ岩。1月末に二度出かけたものの、岩を見つけることが叶わなかった(三国塚とコウモリ岩)/(梨割岩と見晴台)。ぜひこの目で見たいと思い、もう一週間後に探査を行なう。踏査エリアは絞り込めているため、谷の源頭を中心にくまなく回るつもりだ。
 前回の東屋から尾根を降り、第一の候補である東斜面を下る。上から覗くと急傾斜だが、どこも植林の木が上へ枝を広げる景色しかない。進むと赤紐が巻かれた幹がときどき目につく。標高で60mは降りただろうか、前方に大きな岩が現れた。大きさからして間違いないと確信し、下へ降りて見上げる。そこには、岩穴でなく大岩が深く積み重なる光景があった。写真で見た暗闇は、撮影の位置と光の関係からできたものと判明。念のためその画像を見ると、岩の形状や表面の模様も一致した。
 わかってしまえば何のことはない。前回はもう50m下で谷をトラバースしていた。木々や薮に遮られて見逃したのである。山名にもなっているコウモリ岩。普通は山頂直下の大岩が該当しそうだが、山麓の人々の暮らしを支えるという意味で、ここから湧き出る水が重要な要素だと思われる。木津川が流れていても、小さな谷しかない河岸段丘の田畑では切実な問題だったのだろう。恵みをもたらしてくれる流水は、雨乞いの信仰とも結びついているはずである。あとから考えると、赤紐がそのルートを示していた(2021.2.7)。
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