探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.404【小笠原の景観】
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父島
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千尋岩
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ブタ海岸・饅頭岬
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小港海岸
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初寝浦海岸
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大村(背後は船見山)
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宮之浜
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ウェザーステーション展望台から西方を望む
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大神山公園の日の出
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母島
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大崩湾
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沖港(元地・静沢)
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すり鉢
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小富士から南を望む
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蓬莱根
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見送りの船(沖港)
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米軍機の爆弾跡とマルハチ(乳房山登山道)
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機関銃の残骸(「静沢の森遊歩道」)
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 最後に、父島母島で訪れた印象的な見どころを紹介しよう。
 主に火山活動によってできた島々には、その成因を象徴するような地形が各所に見られた。サンゴ礁や石灰岩もあり、バラエティに富む風景はすばらしい。父島・母島の周辺には多くの属島があり、海辺の景観にアクセントを添えている。緯度が低いだけに気候は異なり、降水量の関係から特徴的な生態系が育まれている。それらの一端を実際に体験できたことがなによりだった。
 また、島の各所に残る砲台や弾薬庫・兵舎跡にも寄り道して、ごく近い小笠原の歴史にも興味を持つきっかけになった。出航の際に流れる小笠原古謡『レモン林』。「平和になったら二人はカボボ(結婚)して でね……」の歌詞が、単なるラブソングを超え心を動かされる。帰ってからもその旋律が離れない。

 〔後日譚〕古謡というものの、このジャンルはどうも南方系の民謡を指しているらしい。日本の統治支配時代にポーンペイ島(ミクロネシア)にいたマルコーさん(女性)の歌が小笠原に伝わったようだ。現地調査から「恋愛恨み歌」だという説* もある。現地の言葉が混じるわかりやすい歌詞は、時代に翻弄された人の心情と跨ぐことのできない距離をストレートに表していてとても切ない(パラオには同様の『レモングラス』がある)。
 *「涙がこぼれる」感情表現――小笠原に伝播したミクロネシアの日本語歌謡《レモン林》の解釈――
  小西潤子(『立命館言語文化研究』22巻4号所収)

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