父島で2日過ごし、翌朝は母島へ渡った。午前9時半に沖港へ着岸するので、まず最高峰の乳房(ちぶさ)山へ出かける。元地集落から右回りで剣先山(大剣先)へ周回するコースを歩き、下山後は近くの小剣先にも登って眺望を堪能した。 時間があるので、南端の小富士と南崎・蓬莱根海岸などを訪ね、母島らしい樹相と海岸美を見に行く。休憩を入れて3時間半で往復できた。道中では、ハハジマメグロ(天然記念物)のほか、オガサワラノスリ・イソヒヨドリの姿も確認でき、写真に収めることができた。 泊まった民宿は、植物と山に詳しいベテランガイド=星善男さんの経営。食事も野菜が多く嬉しい。前日に小富士へ行けなかったら出港までに往復するつもりでいたが、いろいろアドバイスを受けて次を考える。認定ガイドの同行が義務づけられている堺ヶ岳と石門山は時間的に難しいので諦めた。 桑ノ木山の旧道で湿性高木林とラン科の花に出会い、集落へ戻る道では戦跡をいくつか訪れた。最後は月ヶ岡神社裏の清見ヶ岡鍾乳洞にも立ち寄った。 出港の1時間前に船客待合所へ帰ると太鼓の音が響き、「ははじま丸」の前は人だかりができている。年度替りで島を離れる小中学校の先生を見送る子供たちと父兄や住民たちだ。赤ちゃんを抱えたり子供の手を引く姿も多く見られ、過疎の離島とは一線を画する光景が印象的である(2018.3.25〜3.26)。 |