大宮川左岸山稜の主峰である。この尾根は、標高でこそ比叡山にその座を譲るが、琵琶湖の展望と訪れる人の数の少なさなど、中央とは違った山を味わうことができる点で特筆できる。 『近畿の山と谷 時間記録と費用概算』には、「古い伝統の山としての荘厳と静寂とを味わえるのは恐らく横川中堂あたりであろう。釈迦堂から青龍寺、更に尾根伝いに横川中堂に詣で、三石岳(675m)を越えて日吉神社に下る大宮谷を一周する路は、流石に世に知られた名山の匂いを残している」と紹介している。 状況は今もあまり変わらず、横川からの行者道はこの山の東側を通過しており、一般にもその道筋がよく利用されている。南側につづく峰を十禅寺山と呼ぶ。