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*以下の山名・地名考は、「比叡山系を歩く」(2003年)より抜粋して掲載しています
(一部加筆訂正)。
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ran04_2_2t どうぜんやま(どうぜんさん)(梶山・大尾山)   681.1m

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旭ノ滝 広葉樹林
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*左=旭ノ滝 右=北主稜の西面は広葉樹の林がつづく
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 現在は「大尾山」といわれる。だが、1960(昭和35)年の資料修正版(一色刷)五万分の一地形図では無名であり、その後の三色刷になって付されたものと思われる。出所が不明なだけに混乱が続いている。そして呼称も著しく変化し、「大尾山」(たおやま)[『北山の峠』〔1980(昭和55)年〕金久昌業]、「大尾山」(だいびさん)[『大津の道』〔1986(昭和62)年〕大津市市史編さん室]と変化した。これ以降の案内書や山行報告はほとんどこの名称を使用し、今では注釈付きで「梶山」(かじやま)[『近江百山』〔1999(平成11)年〕近江百山之会]というものまで登場した。市販されている地図の一部には、既に「梶山」を使っているものがある。また、最近刊行された『三省堂日本山名事典』〔2004(平成16)年 編集委員=徳久球雄・石井光造・武内 正〕では、括弧書きながら「だいおさん」が採用され、「おおおやま」と記す文献もある(*注=「大尾山」の間違いが明らかになり、最新の地形図では「梶山」を採用)。
 いっぽう、今西錦司氏の『千三百山のしおり』〔1982(昭和57)年〕は「無名(南庄越)」で、金久氏も指摘されるように、峠道が存在した可能性も高い。
 比叡山の北主稜において、この山と南に連なる小野山はほぼ中央に位置するため、各地から数多くの登山路が集中している。したがって、目的に応じた変化に富む計画を立てられる山としても注目に値する。なによりも、大比叡周辺や峰道に比べて人の姿が少ないのも魅力で、休日でも比較的静かな山である。

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