山名の由来について、澤潔氏は『京滋 びわ湖山河物語』の「比叡(日枝・日吉)考」の中で、「天台宗の開祖最澄が、中国に留学して訪れた、淅江省南部の天台山の四明岳になぞらえ」たと結論づけられている。歴史的背景がある名称だけに、おろそかにできないものである。 四明ヶ岳の山頂一帯は、近年まで「比叡山頂遊園」として観光客に親しまれてきたが、2001(平成13)年春より新しい施設が開園し、山頂一帯は有料になった。将門岩もその園内にある。したがって、長らくこの山は山登りの対象からは除外されてきたように思う。しかし、登路や中腹の自然環境をみると、その素晴らしさは大比叡を凌ぐものがある。