2年前に雄鷹台(おたかだい)山の山稜を歩いて、播磨灘の景観に取り憑かれた。そこで、日曜日のトレッキングで周辺の山に登る計画を立案。牡蠣の産地でもあるため、その季節に出かけて旅の要素を広げることにする。尼子義久(あまご よしひさ)による山城(永禄年間)があった尼子山(「赤穂富士」)と坂越(さこし)の背後にある宝珠(ほうじゅ)山をつなげば、ちょうど時間的にも頃合いの行程になる。 「坂越」駅から、まず千種(ちくさ)川を左岸に渡って高野(こうの)の集落をめざす。山際の尼子神社から取り付いて尾根に出ると、やがて見晴らしが効くようになった。急峻な岩場を登り切れば鳥居が現れ山頂の社殿に着く。曲輪跡の平坦地が雛壇状に広がり、北東面の40メートル下には水が湧く。西側には磐座と思われる大きな岩があった。往路を戻りハゲ山に寄ってから高野へ下山。近くの公園で早めの昼食休憩にするが、出発してからここまで何度もにわか雨に見舞われた。 坂越の町へ移動し、古い町並みを残す大道(だいどう)を通ってトウロン台から大避(おおさけ)神社へ。船岡園から妙見寺を経て八十八所巡礼道に入る。右回りで順番に石仏を訪ねると、茶臼山で周囲の景観に恵まれた。北側にある和田範長(わだ のりなが)一族の墓所(鎌倉-南北朝時代)から、あとひと登りで宝珠山に達する。下山は巡礼道を東側に回り込み、大避神社の境内を金蘭橋から社殿へ降りた。早めに行程を終えられたので鳥居の前で解散。あとは、各自で坂越の町と海を楽しんでもらおう(2024.2.18)。 |