10日ほど前にリトル比良を歩いて(涼峠から嶽観音へ)、久しぶりに景色のよい鳶岩へ行こうと思い立った。滝山や牛山、鵜川(うこがわ)中尾根などを歩き回ったのはだいぶ前なので、現在の様子も気になっていた。標高は低いものの、いろいろな要素が凝縮されたこのエリアはおもしろく、岳山近くの鉢ノ木尾や白坂も気に入っているルートである。 まず、「北小松」駅から楊梅ノ滝に寄ってみた。足利義輝(あしかが よしてる=室町幕府第十三代将軍)の命名とされる滝群は全体で70m以上ある。現代は「ようばいのたき」といわれるが、古くから「やまもものたき」と称してきた。滝の上部はオトシの平坦な地形に細流と湿地が広がり、庭園のような趣を呈す。 緩い傾斜の小谷から支尾根に取り付いて662m標高点をめざす。ここは露岩の上に測量ポイントがあるので、現在地を確認するのにうってつけの地点だ。滝山方面に向かい、北小松から登ってくる道と出合うピークから東に向かう。広い尾根と灌木に方向を間違えないようたえず確認するが、最近では歩く人が多いのか標識を頻繁に目にした。 牛山へ近づくと尾根の凹地に池が広がっていた。前に来た時は雪に覆われていたため、量は少ないものの水がある景観は初めてである。566m標高点からわずかに下った場所に手製の山頂標識があり、鳶岩へ向かう道が分かれる。 尾根をはずさないよう慎重に降り、少し登り返して鳶岩の頭に着く。東側は琵琶湖が広がるものの、湿度が高いのか遠景はモヤに包まれていた。期待した眺望が得られずちょっとガッカリだが、模型のような足元の風景とこの高度感はたまらない。岩の上で30分ほど過ごした。 山頂近くに戻って鵜川の下流右岸へ向かって降ると、図根点の標石が目についた。近年は目にする機会がけっこうあるように感じる。露岩の目立つ区間では、岩阿沙利山から鳥越峰、そして見張山(音羽山)への尾根が見えた。前回と同じ尾根で送電線の鉄塔に降り立ち、歩道のある国道を岩除け地蔵尊から北小松の汀に帰る(2023.12.30)。 |