探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.915【涼峠から嶽観音へ】
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左=楊梅ノ滝雄滝(展望所から)  右=涼峠
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左=オトシの道  右=寒風峠
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琵琶湖(滝山近くから)
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岩阿沙利山(左)から鳥越峰(右)への稜線(滝山近くから)
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明るい広葉樹林(滝山)
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左=岩阿沙利山  右=仏岩
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ユズリハに囲まれる縦走路
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遠景左からコヤマノ岳・武奈ヶ岳・ツルベヶ岳と背後の右に白倉山(白倉岳)の山稜(オウム岩から)
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蛇谷ヶ峰(手前は鹿ヶ瀬。鴨川が流れる)
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岳山(前景)と鴨川・安曇川河口(オウム岩から)
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東山(遠景右手)。マキノから海津大崎の湖岸が曲線を描く
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泰山寺野(前景)・饗庭野(中景)と石田川流域の山々(遠景左は二ノ谷山。遠景中央左は武奈ヶ嶽。雲がかかる右手は荒谷山)
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左=嶽岩屋観音(岳山山頂)  右=瓦が散らばる嶽観音堂跡
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霊仙山(手前右手は男鬼山・比婆之山の山群)
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荒神山(湖畔中央)と遠景は高室山(左手)・御池岳(中央左)から竜ヶ岳(右)の山なみ
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竹生島(遠景右手)と背後に横たわるのは賤ヶ岳から山本山の山稜(白坂から)
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左=参道の石段  右=灯籠のあるガレから山麓を見下ろす
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左=賽の河原  右=岳山と白坂を見上げる(北原の溜池から)
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 北小松(志賀)からリトル比良の山稜を縦走して音羽(高島)まで歩いた。滝・湿地・古道・岩場など見どころが点在するコースは、その都度あらたな姿や表情が楽しめる。この日は冬型の気圧配置になって、たびたび雪雲に覆われた。風に乗って雪が舞い、地面には霜柱ができていた。
 比良山岳センター(比良げんき村)の前から楊梅ノ滝に向かい、展望所から雄滝を眺める。涼(すずみ)峠からシシヶ谷の流れを渡ると「左 はたみち」の標石がある。緩やかな地形のオトシを、水流や湿地を見ながら寒風(かんぷう)峠へ登る。鞍部は北西風が吹き抜け、ここでウィンドブレーカーや雨具を身につけた。
 滝山への稜線は明るい雑木林が広がり、この季節らしい景観が気持ちよい。風のない頂上で早めの昼食にした。いったん降って登り返したピークを左折する。最近はここが嘉嶺(かね)ヶ岳(Ca.660)とされるが、私たちが使ってきたのは西側のピーク(Ca.650)で、稜線の道が西から北へ折れるところをいう(縦走路は山頂直下を右折)。もっとも、山容全体として捉えればよいものの、標高の高い方だけに特定するのは問題である。また、地形図にある涼峠の位置も不自然で、なぜヤケ山(大石)に向かう尾根(大石道)の途中にあるのだろうか。
 鵜川(うかわ)越の林道に降り、再び岩阿沙利(いわじゃり)山(地形図は「岩阿砂利山」と間違って記載)へ100メートルほど登りがつづく。山頂の仏岩に寄ってから鳥越(とりごえ)峰へ向かう。シロダモやサルトリイバラの赤い実が目立つ。眺望を期待したオウム岩では、日射しがあったり雲に覆われたり目まぐるしく状況が変わる。風に煽られないよう注意して時間を過ごした。鉢ノ木尾の分岐から東に方向が変わり、いくつもの小ピークを登り降りして岩屋に安置された観音石仏へ達する。
 東側のガレからは、琵琶湖や鈴鹿の山々が青空に浮かんでいた。かつて嶽観音堂があったエリアには、倒木と石垣や石段が残るだけで、本尊の十一面観音像は麓の長谷(ちょうこく)寺に移された。『比良―研究と案内―』(角倉太郎・阿部恒夫著 山と溪谷社 1970)には御堂の写真が載っていて、昭和40年式の2.5万図にも寺の記号が認められる。
 参道を降り、弁慶の切石から白坂に来ると山麓と湖北が間近だ。夕日を受けて竹生島が明るい。ガレから足場の悪い道を慎重に進み、北原の溜池で岳山を振り返る。大炊(おおい)神社から「近江高島」駅まで歩いて山行を終えた(2023.12.17)。
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左=シキミ  右=シロダモ
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