清冷(せいれい)山は日高川の中流域にあって、先月に登った矢筈岳の東側に位置する。初湯川(うぶゆかわ)の平を出発して、椿山(つばやま)ダムから日高川の右岸を下流に向かう。笠松大橋手前の吊橋で左岸に渡って林道渡瀬線を遡るとほどなく登山口に着いた。 初めの標高差150mほどは急坂で、支谷から尾根へ折り返しながら登る。標高が上がると尾根筋はヤマモモの林になって一息つけた。緩急を繰り返して順調に進むと、標高750m付近で岩が現れた。最後は大きな樹木に囲まれた尾根を頂上に向かう。大半が植林地で、かろうじて矢筈岳の尾根が見えるだけの頂上である。昨日の白馬(しらま)山に比べれば特徴のないピークだが、二等三角点が設置される山だけに周辺からは大きな山容が印象的だ。時間の関係から登山道を往復したので、2時間ほどの軽い山登りだった。 バスのある川原河(かわはらごう)まで、蛇行を繰り返す下流でなく愛口(あたいぐち)から打尾隧道の短縮路を使う。日当たりのよいところでは花が咲き、春らしい景観に包まれていた。洗濯板のような皆瀬(かいぜ)付近の川床も美しい。 宿泊した平には、集落の一番奥に上阿田木(かみあたぎ)神社(上愛徳六所権現)が建つ(平安時代に創建)。スギ・ヒノキは元亀2(1571)年に植えられたと伝わり、見事な境内林を形成していた(2023.3.12)。 |