「とんがり山」から峰相(みねあい)山を昨秋に歩いてよかったため(峰相山を歩く)、今回はその北側に連なる伊勢山へ出かける。播磨の低山はおもしろい山が多く、岩場や瀬戸内の景観を期待して緑台の山桜広場から入山した。葉を落とした雑木林は明るく、雰囲気のよい道がつづく。地元の保護維持活動が熱心なのか、ササユリやラン科植物とツツジ類も多いようだ。 奥山(280.0m)と298m峰の鞍部から東尾根の岩峰を経て伊勢山にたどり着いた。途中の岩の上からは、明神山をはじめ播磨南部の山々が姿を見せている。頂上から西へ降ると、この日のハイライトともいえる神座ノ窟(しんざのいわや)が現れた。岩場の穴から新宮方面の景色が広がる。少し下へ降りて回り込むと神像が祀られており、順番に参拝と写真撮影を行なう。 さらに降って、支尾根の先端にある空木(うとろぎ)城跡で昼食にする。手前の岩場からは、たつの市方面の里が近い。現地の説明版によればこの山城は「赤松遠見の城」と呼ばれ、1394〜1428年に築かれたとされる。 伊勢山の西峰から西尾根を南下すると、ときどき岩場が現れほどよい緊張感が刺激になる。284m標高点の南側にある展望台で休憩。淡路島はどうにか認められる程度だったが、家島諸島と小豆島は明瞭で近い。山桜広場へ下る里山西コースを東に分けると、急坂と岩稜がつづく。なかでも215m峰の南西支稜にはすっきりした一枚岩が隠れていた。南稜を降ると広々としたザレ地があり、峰相山が目の前に横たわる。鶏足寺跡の平坦地を経て頂上に達した。 「近畿自然歩道」の標識に従って、打越のグラウンド横に下山する。乗車予定のバス時刻3分前に到着。尾根の北側は『太陽公園』の「石のエリア」で、神殿がすぐそばにあった(2023.3.5)。 |