播磨地方には、小粒ながら岩山が各地にあって、楽しめるルートを提供してくれる。今回は、書写(しょしゃ)山と鶴觜(つるはし)山の間にある峰相(みねあい)山へ出かけた。姫新線の「太市(おおいち)」駅に近づくと、さっそく尖った山が姿を見せる。とんがり山と呼ばれる風早峰である。尾根つづきの北側には峰相山があって、山中に鶏足寺の跡が広がる。この山稜の総称が峰相山らしい。 石倉にある稲荷大明神から尾根に取り付き、送電線が通過する鞍部と162m標高点を越えてピークをめざす。亀の甲羅に似た亀岩(神岩)に上れば、一気に景観が開けた。水の溜まった窪みがいくつもあり、伝説によれば年中枯れることがなく、ここで育っていた香稲(かしね)が諸国に広がったという。急坂を登り切るととんがり山の最高地点(258m)に着いた。三角点は尾根の少し先にある。露岩を縫って北へ向かうと支尾根の先に大黒岩が現れた。新宮方面や笠形山の特徴ある山嶺が眺められる。 平坦な鞍部周辺は寺院跡で、小さなお堂や五輪塔が点在する。緩やかな登りをわずかで峰相山の頂上に着いた。南東に進路をとると辺りが甘い香りに包まれる。見上げるとヤマグミの花が咲いていた。216mピークで近畿自然歩道と分かれ、展望のよい広場から白鳥台(はくちょうだい)の住宅地に降りる。周辺の地質は流紋岩や凝灰岩で急峻な斜面が多い。太陽公園の白鳥城を見ながら姫路へのバスに乗車する(2022.10.11)。 |