先日は箕裏ヶ岳を縦断して、尾根筋の概略を掴んだ(→箕ノ裏ヶ岳)。「京都再発見」のトレッキングのために、もう少し岩倉の下調べをする必要があるので出かける。連郭式の山城である岩倉上蔵(あぐら)城跡と石座(いわくら)神社を中心に見どころをおさえたい。 まず、実相院の裏側にある尾根で城跡の削平地や空堀を確認して大雲寺の旧境内に降りる。そこには不動ノ滝(妙見ノ滝)があり、心の病を治すための垢離(こり)場だったという。霊験を求める人々は各地から集まり、籠屋(こもりや=保養所)に滞在して平癒を祈ったらしい。今は寺院が石座(いわくら)神社の東側へ移転し、跡地は病院に受け継がれている。 隣接して神社があり、八所明神・十二所明神として崇められてきた。「いわくら」の語源になった磐座は西河原町にある山住(やまずみ)神社にあって、社殿を持たない古い形式を見ることができる。現在は石座神社の御旅所になっており、大雲寺の創建で勧請された御神体の変遷を考えると興味深い。人々の意識や考え方が、自然崇拝から社殿へ形式的になっていくのがよくわかる。 実相院近くには岩倉具視(いわくらともみ)が幽棲した住宅が残り、周辺は落ち着いた風景に包まれる(2022.11.6)。 |