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昨秋(高野山〜十津川)につづく小辺路の2回目で、十津川から熊野本宮大社まで歩いた。 果無(はてなし)集落への道は石畳の急登ではじまる。標高350mを超えると傾斜も緩くなり、櫟佐古(いちざこ)から上ってくる石仏の道が合流して第三十番の観音と出合う。若い頃に来た時は車道がなく、荷物はワイヤーで運ばれていたと記憶する。その後に車道が敷設され、月曜日だけだがバスが走るようになった。今では「天空の郷」としてすっかり有名だ。少し時間をとって日当たりのよい集落の景観を楽しむ。 「右 くまのミち/左 やまみち」の道標を過ぎると集落をはずれ再び山道になる。天水田跡・地蔵菩薩立像・山口茶屋跡がつづき、水場のある果無観音堂の上部で展望が開けた。十津川村から大峰山脈が視野一面に広がる。奥高野の山々は直前の寒波で雪化粧していた。標高800mあたりから上は雪道になる。急登とトラバースで峠にたどり着いた。 落葉広葉樹の稜線はよい雰囲気に包まれ、しばし休憩。花折茶屋跡は暗く寒いので、丸い二十丁石をやり過ごして三十丁石まで下る。眼下に熊野川が蛇行し、近くは百前森(ひゃくぜんもり)山や伏拝(ふしおがみ)から遠くは大塔の山々が幾重にも重なる。七色への分岐を過ぎると川が近づいてきて、梅に彩られる八木尾(やきお)の集落に降り立った。 三軒茶屋跡まで車道を進み、発心門王子からくる中辺路と合流して熊野本宮大社をめざす。なだらかな尾根道で祓殿王子に立ち寄り、北側から社殿の建つエリアに入った(2021.2.20)。 |
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