探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.28【神蔵寺を探す】
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上=上部の平坦地
下=付近に散らばる石組みの一部と安置された五輪塔
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 神蔵山〔かまくらやま=神蔵寺山〕の由来になった神蔵寺(じんぞうじ)がどこにあるのか。伝承や古文書を参考にあちこち調べてきたが、可能性の高い場所を探し当てることができた。
 場所は、このサイトの
No.25「延暦寺の諸堂」に掲載した絵図と近い位置にあり、大宮川から一段上がった斜面に数箇所の平坦地が連なっていた。神蔵山の山頂から東南方向へ下る支尾根を「ヤブガダイラ」と言い、地元では寺跡だと伝えられてきたとおり、石積みや一石五輪塔が数多く認められる。
 『公任集』の詞書に、「かまくらといふ所におはしたるに」とあって、「忘草かりつむほどに成にけりあともとゞめぬかまくらの山」の和歌が綴られている。ここに、永延二(988)年〜永祚元(989)年ごろ花山院が住し、藤原実方や藤原公任が出向いたようである。
 やはり「お山」は、平安時代の昔から都と深い関係にあったことを実感できる。

 同定にあたっては、笹川博司氏の著作(『公任集』の「かまくら」について)や調査情報を参考にさせていただいた。
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