天神山(与喜山)を先日歩いて、與喜(よき)天満神社の二ノ磐座(重岩)探しがおもしろかった。後の時代に燈籠と玉垣が造られ、その中に三つの岩が積み重なる。 帰宅して、藤本浩一著の『磐座紀行』(1982年 向陽書房)を開いてみたら、「長谷寺と天神山」の項目にもう二つの磐座が写真とともに紹介されていた。ぜひ、この目で確認したいと思い再び出向く。 與喜天満神社の鳥居前には「いせみち」の道標があって、上化粧(けはい・けわい)坂(伊勢本街道)で峠に向かう。すぐ与喜山暖帯林(天然記念物)のエリアに入るため、大きな木が目立つ。東側が植林地の天神山につづく尾根を進むと、方向が変わって開けた地形になった。付近にあるとされる夫婦石を探して、幅の広い尾根や谷の源頭にあたる湧水地点を見て回る。 その後は、前回通った支尾根に出た。「箱庭」と呼ばれた緩斜地から北ノ谷にトラバースし、急峻な斜面と露岩をチェックしながら北へ向かう。U字状の等高線で囲まれた地点まで移動し、上部をめざすと露岩が左右に点在していた。張り出した岩からは、大和川(初瀬川)上流の山なみを望むことができる。実際の地形は台地状でなく、等高線で表現できない細い尾根(標高差10メートル未満)だった。「長谷寺境内図」〔寛永15(1638)年〕に描かれているらしい。 ここが「覗(のぞき)」(北ノ覗)だと判断し、さらに東へ進む。すると、岩場の下方に狛犬が見えた。三ノ磐座だと思って露岩を慎重に降りる。狛犬の前には「本伊勢」の扁額を掲げる鳥居が建っており、杉熏uによる由来の刻まれた石碑が並んでいた。長谷寺には「与喜山礼」という拝礼があって、この山(天照大神)に向かって毎朝行なわれるという。 東斜面には露岩や岩壁が連なっていた。ほぼ同高度をトラバースしながら「箱庭」に戻る。二ノ磐座(重岩)を写真に収め、社殿近くに点在する一ノ磐座(三玉石)へ降りた。 帰ってから本の写真を見ると、三ノ磐座の基部には小さな狛犬の姿がある。早合点が災いし、この日に確認したのはすべて四ノ磐座だった。もう少し内容を詳しく読んで行けばよかった。もう一度出かけよう(2026.1.16)。 |