一週間前に巻向(まきむく)山を歩いて、長谷寺の所領だった天神山(与喜山)を思い起こした。久しく先送りにしていた山で、大和青垣国定公園の第一種特別地域になっている。天然記念物の樹林(与喜山暖帯林)が何よりの魅力で、春日山原始林に並ぶ自然が広がる。 「長谷寺」駅からは、大和(初瀬)川の谷筋を挟んで盛り上がる山容が望める。初瀬の門前町を進み、與喜(よき)天満神社の御旅所から橋を渡って表参道を上がる。入口の鳥居前に天然記念物を示す標石が立っていた。 本殿の前から三ヶ所ある磐座〔鵝形(がぎょう)石・沓形(くつがた)石・掌(たなごころ)石〕に寄って北側の尾根を登る。急峻な標高差80mほどをこなすと、緩やかになって歩き易くなる。尾根の北斜面は険しく、ところどころに露岩が目立つ。境界標石が出てきたら東側は暗い植林地になった。西側の明るい広葉樹林と対照的である。シイやカシの高木の下に、サカキやヤブツバキが繁茂している。ほどなく頂上の三角点に着いた。 別ルートでの下山を考えていたが、重石(かさねいし)と呼ぶ二ノ磐座(『磐座紀行』:藤本浩一)を外したので登路を降る。緩い傾斜の尾根から最後の斜面に入り、周囲の露岩をひとつずつ確認しながら進む。下降の方が道を見つけ易く、たやすく灯籠と玉垣に囲まれた重石と出合った。 長谷寺へつづく裏参道(連歌道)の石段を降れば、左手に鍋倉神社の鳥居が建つ。右手の下方には玉鬘(たまかづら)神社があり、その下に素戔嗚尊神社の境内が大和(初瀬)川左岸に広がっていた(2025.12.28)。 |