探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.1053【美濃戸口より海尻宿】
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左=美濃戸口  右=ホテイランの群生地(南沢)
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左=大同心(左)と小同心(中央)  右=南沢から見上げる横岳
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美濃戸中山(中景左手)・峰ノ松目(中景右)と北アルプスの山々(最遠景)
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木曾御嶽(遠景中央は守屋山)
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乗鞍岳(前景は美濃戸中山)
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槍・穂高連峰(西穂高岳〜常念岳)
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赤岳西面
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最遠景左から餓鬼岳・針ノ木岳・蓮華岳と爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五龍岳など(背後の左手に立山・剱岳も見える)
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横岳西面の岩場
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雲海に浮かぶ奥秩父の山々(最遠景中央左は三宝山・甲武信ヶ岳の山稜。手前右側に小川山・金峰山など)
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富士山(最遠景左手)と手前左側に金ヶ岳の山稜(前景右手は赤岳)
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赤岳(中景左手)と最遠景は南アルプスの山々(赤岳の左は櫛形山。中央は甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・鋸岳。右手に白岩岳)
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左=群生するツクモグサ  右=三叉峰(右手に杣添尾根が延びる)
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阿弥陀岳(中景左手)と中央アルプス(最遠景)。前を横切るのは守屋山の山稜
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南アルプス(左から鳳凰三山・北岳・甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・鋸岳など)
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蓼科山(遠景中央右)と前を峰ノ松目・硫黄岳の山稜が横切る(前景中央左は大同心)
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左=稜線のキバナシャクナゲ  右=大きなケルンが並ぶ硫黄岳南面
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左=硫黄岳  右=御料局三角點
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赤岩ノ頭から天狗岳・東天狗岳(中景中央)を望む(背後の左側に蓼科山・北横岳が見える)
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阿弥陀岳(中景左)と背後の右側に編笠山・西岳が並ぶ
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左=峰ノ松目(三等三角点 点名=峰ノ松目)  右=随所に咲くコミヤマカタバミ
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硫黄岳の爆裂火口(夏沢峠付近から)
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左=野天風呂と硫黄岳の稜線  右=本沢温泉
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左=内湯  右=ウソ
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左=温泉から山麓に向かう道  右=カラマツ林
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遠景中央は御座山(稲子登山口近くから)
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横岳・硫黄岳・根石岳・東天狗岳の山稜(遠景左から)
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海尻へ向かう道路から振り返る「北八ツ」の山なみ(左は東天狗岳と左手に稲子岳。右は八柱山)
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左=医王院  右=海尻の旧街道
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 以前に美濃戸山荘で泊まった際、「梅雨の時期に貴重な花が咲く」と教えてもらった南沢と横岳を訪れる機会ができた。
 美濃戸口から柳川・南沢を遡って行者小屋で一泊。翌日は地蔵尾根を登って地蔵ノ頭から横岳・硫黄岳を経て峰ノ松目に登頂。オーレン小屋に下って夏沢峠へ登り返し本沢温泉へ。三日目に稲子登山口へ下山したのち、佐久甲州街道(佐久往還)の海尻(うみじり)まで歩く計画にした。初夏の花々に加え、未登のピークと標高の高い野天風呂を一緒に楽しむ予定である。
 柳川の北沢コースと南沢コースの分岐から30分以内の登山道でホテイランが多く見られる。ロープで囲われたエリアにはタグが付けられ、保護活動の様子がよく伝わってくる。残念ながら花の最盛期は過ぎたようで、形状をとどめる株が散見できたに過ぎない。アカショウビンの鳴き声が響く上流になると、大同心・小同心の岩場と稜線が望めるようになった。
 地蔵尾根に取り付いて高度を上げると眺めがよくなり、背後には残雪の北アルプスの峰々が朝日を受けて輝いている。稜線に達すると佐久側は一面の雲海で、奥秩父の山々がシルエットで浮かんでいた。赤岳の左手には遠く富士山も見える。
 横岳一帯は幾つものピークが連なり、登り降りを繰り返す。この時期の花を確認するため岩場はゆっくり歩く。日当たりのよい場所では夏の花が目立つものの、日陰になる西面や風衝地でツクモグサの姿があった。日ノ岳から三叉峰の区間が条件的によかったのか、美しい花を見ることができた。オヤマノエンドウやナズナの仲間(アブラナ科)も多い。
 硫黄岳に近づくとキバナシャクナゲに彩られる。山頂からは蓼科山が大きく近い。赤岩ノ頭に向かうと樹木の緑に包まれ、峰ノ松目(みねのまつめ)はシャクナゲに囲まれて三角点があった。夏沢側の樹林帯はコミヤマカタバミとシロバナヘビイチゴに埋め尽くされる。この時期らしい光景に心安らぐ。
 夏沢峠で硫黄岳の爆裂火口を仰ぎ、斜面をトラバースしながら降る。いったん尾根に出て谷の方へ寄っていくと、硫黄の匂いが漂ってきて野天風呂が眼下に見えた。先に本沢温泉へ行って荷物を置き、谷間に造られた風呂へ戻る。
 泉質によるものだろう、ヒリヒリと熱いので浴槽に長く浸かることができない。谷の水流と周囲の緑を見渡しながら、温泉を話題に先客とひとときを過ごす。温泉の建物のもっとも下にある浴槽は赤く濁った湯が流れ込み、異なる泉質に入れるのが嬉しい。窓際の餌台に何羽ものウソが集まっていた。
 湯川の左岸につづくコースは、本沢温泉入口まで樹林帯のプロムナードだ。荷物の輸送を担うだけに、緩い勾配で造られている。林道のゲートを越えて、駐車場の入口からなおも降ると稲子登山口に出た。下部はカラマツ林になる。集落の上部からは、御座(おぐら)山をはじめ天狗山や男山の山稜が見える。大月川を渡れば畑地が広がり、振り返ると硫黄岳を中心とした山々と「北八ツ」のたおやかなスカイラインを望むことができた。
 仁王像が立つ医王院と海尻の諏訪神社(郷社)に寄って、佐久甲州街道(佐久往還)の宿場の風情を味わう(2025.6.17〜6.19)。
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