滝畑ダムから石川西岸の上流を望むと、猿子城(さるこじょう)山の大きな山容が仰がれる。槇尾山の近くだが、支稜にあるため訪れる人は少ない。天気のよい一日を選んで槇尾山と上山(うえやま)をつないで周回してきた。 滝畑は槇尾山施福(せふく)寺に向かう参道の登り口で、粉河(こかわ)寺から高野廻りの巡礼道に位置する。現在は「ダイヤモンドトレール」の中継地として馴染み深い。集落からボテ峠に登り、トレールを離れて急峻な尾根を一気に頂上へ。固定されたロープが終わると、傾斜が緩くなって到達した。西側にはさらに標高のある「十五丁地蔵山」が並ぶ。 西国三十三所巡礼の檜原(ひばら)越に出て、槇尾山(捨身ヶ岳)で昼食の休憩をとる。少し霞んでいるものの、スカイラインを長く伸ばす淡路島や六甲の山なみを見ることができた。帰途の時間が読めないため蔵岩の往復は省き、巡礼道の途中で生駒や金剛の眺望を楽しむ。カヤ原の広がる岩湧山が近い。十五丁石地蔵を確認して、さらに南へ進むと途中から作業林道になった。 三国山と上山の分岐から東に進み、この日の最高峰である777.4mの上山(頂上)を踏む(三等三角点。点名=槙尾山)。作業林道は索道跡がある地点までつづき、691m標高点の南側から目印を頼って光瀧(こうたき)寺に下山する。 ルートは尾根上でなく、少し下った西側の斜面につけられていた。あちこちで倒木が行く手を阻む。静寂に包まれた寺院は葛城修験道の重要な拠点で、葛城二十八宿の第十四宿とされる。時間を見計らい、石川の流れを見ながら滝畑ダムへ戻った。 大半が植林地のため草花の種類は多くなかったものの、キンミズヒキやコウヤボウキがまとまって咲いているエリアがあった。テイショウソウは葉だけが目立つ。ミカエリソウの花はまだこれからという状況である(2024.10.11)。 |