久しぶりで鷲峰山に出かけた。山城地方の最高峰として知られ、周囲のどこからでもよくわかる大きな山容が特徴である。山頂部に鉄塔が建つので目標にしやすい。最新の2.5万分の1地形図では「じゅぶざん」とルビが振ってあり、これまで使っていた「じゅぶせん」「じゅぶさん」は忘れられる可能性がある。天竺の霊鷲山(りょうじゅせん)が山名の由来で、「北山上」「北大峰」とも称す。 金胎(こんたい)寺の表参道にあたる和束町原山から、東海自然歩道で茶畑の間を登り始めた。集落の上部に瑠璃閣があって、かつての宿坊跡と伝わる。南斜面の茶畑からは、南山城村との境界に連なる三ヶ(みつが)岳をはじめ、遠く大和高原の山々が姿を見せていた。植林地の谷筋はヒルが多い。大きなものも多く、山門手前の道路へ出たところでお互いにチェックし、ハッカ油などで退治する。 寺務所で入山料(一人=300円)を納め、最高地点の空鉢(くはち)ノ峰に向かう。中央に正安2(1300)年銘の宝篋印塔(国重文)があるものの、周囲の樹木が成長して眺望は全くない。北側の林道に降り、一等三角点と天測点がある釈迦岳を往復する。山頂は北東面が開け、琵琶湖から笹ヶ岳を望むことができた。湿度と温度が高いので鈴鹿の北部や伊吹山は確認できない。 下山は立川(たちかわ)区の大道寺(だいどうじ)に向けて東海自然歩道を進む。宇治田原町側の丁石道を降ると五丁石で湯屋谷からの道に合流。信西入道(藤原信西=通憲)塚から集落の家並を抜けて「維中前」バス停まで歩く。 道中では、バラエティに富むテンナンショウの葉を何度も確認したが詳細は不明。京都府の絶滅危惧種としてこの山のアオテンナンショウが挙げられているが、誤認(キシダマムシグサ?)との見解もある(2024.6.16)。 |