近江八幡の奥島山へ久しぶりに出かけた。干拓で姿を消した奥津(おくつ)島の最高峰で、姨綺耶山(いきやさん)とも称す。そもそも、特定のピークを指す山名でなく島の山なみ(姨綺耶山系)を表していた。また、奥島(おくのしま)山や奥津島山とも呼び、山麓にある集落から津田山(つだやま)としても知られる。山中や周辺には歴史ある寺社が多く、西国三十三所第三十一番札所の長命寺をはじめ、伊崎寺・大嶋奥津島神社など見どころが点在する。 島町(しまちょう)の渡合(わたらい)から若宮神社に向かい、「水フォーラム記念林」を経て山頂をめざす。途中の谷筋では何株ものウラシマソウと出会った。大きな岩が現れると中之御中主尊(なかのみなかぬしのみこと)の標識があり、ほどなく頂上の三等三角点(点名=津田)に達する。すぐ南側に奥宮(御神体)が祀られていた。西側の露岩からは、琵琶湖と湖西方面を見渡せるが、対岸に連なる比良の山々は上部を雲が覆っている。吹きつける風で湖面が波立ち雲も濃淡を繰り返していた。 長命寺山の山頂に寄ってから、長命寺の参拝道路に出て境内へ向かう。参拝・拝観の時間をとり、石段を登った本堂の奥にある太郎坊大権現社まで行く。社殿の前では、湖東から湖南の景色が広がっていた。808段ある参道を降って長命寺港へ下山。午後は降水確率が高かったものの、なんとか行動中は降られずに済んだ(2024.5.6)。 |