妙義山は「上毛三山」の一つに数えられ(ほかに赤城山・榛名山)、奇峰が連なる独特の景観を示す。古くからの名勝でもあり、露岩や岩稜のつづく登山コースは変化に富む。今回は、白雲山・金洞(こんどう)山・金鶏(きんけい)山からなる表妙義を目的地に、参加者のみなさんにとって魅力があり十分こなせるルートを考えた。最高峰の谷急(やきゅう)山がある裏妙義は別の機会に譲る。 妙義神社の社前から金鶏山登山口に向かい、大人場(おにんば)から中間道(関東ふれあいの道)にアクセスしてタルワキ沢の出合へ。沢を遡行してコルに達したあと、天狗岩と相馬岳に登頂。タルワキ沢出合まで戻って中間道を妙義神社に向かう。途中の第2見晴と第1見晴で展望を楽しんだのち、本殿から白雲山中腹の「大の字」に登る。奥ノ院に参拝後、二本松茶屋跡の尾根を降って再び中間道へ。参道を大鳥居へ降って行動を終えた。距離は9.5キロメートルほどだが、累積高度は登り降りとも1,800メートルを超える険しい道であった。 ハイキングコースとして整備された中間道は簡単なものでなく、登山の意識で歩かないと危ない。なかなか歩きごたえがある。タルワキ沢のルートはほぼ明瞭だが、岩塊を縫う区間と鎖場は注意したい。基本を守れば難しいものでなく、ダイレクトに尾根へ達するので一気に登れる。まず、天狗岩を往復。岩場の基部でミョウギコザクラが開花していた。次に表妙義最高峰の相馬岳を往復する。きのう登った荒船山の船体がはっきりわかった。 現在は中間道の鉄製階段が通行止になっている。だが、斜面をトラバースする踏跡は通行に支障なく、第2見晴へ容易に行けた。大黒ノ滝を経て第1見晴で再び山麓を眺める。 荘厳な黒漆塗権現造りの社殿が建つ境内から「大の字」に向かうと、植林の間に露岩が点在する。上部は落葉広葉樹林になって明るさが戻ってきた。長い鎖場を登り切ると支尾根に出て、その先の岩の上に「大の字」が設置してある。麓が近いだけに、道路や建物の様子がよくわかる。 三叉路の辻からもうひと登りで奥ノ院の岩窟に登り着いた。下山は周回して中間道に出る。支尾根では、淡い緑にミツバツツジとヤマツツジの花が浮かび上がり、美しい光景を見せていた(2024.4.20)。 |