探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.939【伊香立越・小出石越】
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左=小出石の集落  右=八幡神社
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アスナロ
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八幡神社境内林
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左=アスナロの葉  右=スギの植林地
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左=伊香立越  右=大原側の峠道
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左=小出石越  右=林床を埋めるヒカゲノカズラ
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左=魚ノ子山(三等三角点)  右=伊香立側の峠道
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峠道から琵琶湖を見下ろす(野洲川河口・中洲大橋が見える。遠景右手は雪野山)
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ヤブツバキ
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上在地近くから見た琵琶湖と湖南方面(遠景は左から鏡山・田中山・三上山・菩提寺山と烏ヶ嶽・飯道山・阿星山など)
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田中山(左)・三上山(中央右)・菩提寺山(右手)。最遠景右手に高畑山〜那須ヶ原山の稜線がうっすらと見える
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左=慈眼寺への参道  右=慈眼寺
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北在地(雪稜は比良山系の蓬莱山・打見山。その前に左から権現山・霊仙山・ホッケ山が重なる)
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左=八所神社  右=下在地バス停にある江若鉄道バス史料館
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 京都の大原と大津の伊香立(いかだち)の間には、二つの峠道が通じる。古知平・小出石と北在地・上在地を繋ぐルートだが、目的や行先によって使い分けられたと思われる。「京都再発見」のトレッキングで、十数年ぶりに峠道を歩いてきた。
 小出石を出発して、旧敦賀街道を峠の入口に向かう。すぐ北側に八幡神社(「はちまんさん」)があり、境内を掃除する人の姿も見えた。大切にされていることが伝わってきて、周囲の広葉樹林も雰囲気がよい。鳥居の先にはアスナロの巨樹があり、傍に大きなスギも立っている。谷沿いに進むと伐採後の植林地になって、カバーをかけられたスギの苗木が現代美術の作品のような光景を呈す。林道で伊香立越の峠近くに登り、広い尾根を西側へ迂回して鞍部へ降りた。
 昼食後に稜線を小出石越まで進むと、掘り込まれた古い道と出合う。時間があるので、531m標高点を越えて魚ノ子山(点名=小出石)を往復した。山名は伊香立北在地の字名である。稜線は『比良比叡トレイル』のコースだけによく踏まれている。
 小出石越は八幡越とも称し、八幡神社へ参拝するルートだったのだろうか。この呼称は小出石側のものとされ、伊香立側にある八幡へ向かうものと考えられる。ただ、現行地名で特定するのは困難である。
 上部は見事な道がつづいていたが、下部は伐採地で不明瞭になり、作業道を使って真野川左岸の林道に降り立つ。ちょうど「ハチマン」の標識がある地点だった。北在地の高台にある慈眼寺(高観音/慈眼庵=大津市文化財)に寄り、下在地まで風景を楽しみながら歩く。大津京遷都に伴って平群飛鳥真人(へぐりあすかのまひと)が造営したとされる八所神社。その杜がだんだん近づいてきた(2024.3.19)。
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