京都と大阪の府境にあるポンポン山は、各地から多くのルートが通じる。なかでも、代表的なのは神峯山寺(かぶさんじ=高槻市)と善峯寺(よしみねでら=京都市)からつづくもので、四季を通して人の姿が絶えない。花の時期だけに、フクジュソウの自生地に寄ろうと高槻市営バスの中畑回転場から出発した。初心者向の講座なので、下山は最短コースにして4時間30分ほどの行程とする。 今は高槻市(大阪府)に属するものの、樫田(田能・二料・杉生・中畑・出灰)は南桑田郡(京都府)の村であった。低い峠を挟んで亀岡市と京都市に近接している。府境を越え、大原野(おおはらの)外畑(とのはた)町を経て大原野森林公園に向かう。森の案内所から出灰(いずりは)川を少し降り、左岸に渡り返して西尾根を登る。冬枯れの落葉広葉樹林は明るく、落ち葉を踏みしめながら標高を上げていく。 入口で手続きを済ませ、フェンスに囲まれた群生地で花と対面。開き切ったものが多かったが、花びらを膨らませたものも見られる。エリア内にはネコノメソウも咲いていた。平坦地で昼食の休憩をとり、リョウブの丘からポンポン山の頂へ。青空が覗くようになって、愛宕山や京都盆地南部を望むことができた。 東海自然歩道で杉谷に降り、西国三十三所観音巡礼の道を善峯寺へ向かう。寺まで八町の杉谷には、かつて旅籠が一軒あったという。道路とは別に、その旧道も明瞭に認められる。タイミングよく開花と出会え、この山の魅力を再認識した。参加されたみなさんにも喜んでもらえたことだろう(2024.3.4)。 |