滋賀県竜王町と野洲市にまたがる鏡山は数々の和歌に詠まれ、「西の竜王山」として親しまれている。これまでいろいろなコースから登っているが、久しぶりに鳴谷渓谷から入山して星ヶ崎城があった星ヶ峰へ縦走した。 竜王町の観光駐車場を離れると、砂地に帰化植物のオオフタバムグラが目立つ。すぐに石床がつづく渓流で、湖南アルプスや金勝アルプスに似た景観が好ましい。鳴谷池を過ぎると山腹に雲冠(雲観)寺跡が広がる。説明板によると聖徳太子の創建で、伝教大師最澄によって再興されたという。信長の焼き討ち以降は衰退した。各所に石段・礎石・石積み・井戸跡が残る。 山頂(384.8m)直下に展望の広場があって、竜王町側の景色が見渡せる。また、二等三角点(鏡山=384.48m)では南から西の山々が望める。「涼み岩」に上がれば三上山(近江富士)も近い。市町界の稜線は何度も方向を変え細く複雑だが、星ヶ峰が近づくとゆったりとした地形に変わる。ここはすばらしい展望台で、琵琶湖側の景観をしばし楽しんだ。鏡氏の山城とされ、部分的に石積みが残存するものの詳しいことはわからない。下山口一帯は西光寺跡で、移設された宝篋印塔などが保護されていた。 竜王かがみの里(道の駅)で解散したあと、時間があるので源義経にかかわる場所をあちこち再訪する。その足で「篠原」駅まで歩いた。残暑の厳しい1日だったが、秋の草花も見ることができた(2023.9.17)。 |