ブナ林の緑と三方五湖〔三方(みかた)湖・菅(すが)湖・水月(すいげつ)湖・久々子(くぐし)湖・日向(ひるが)湖〕の眺望を期待して若狭の雲谷山へ出かけた。若い頃は耳川流域や観音川の谷をあちこち遡行したが、それ以来遠ざかっている山域である。公共交通機関を使う登山講座なので、列車やバスをうまく組み合わせる必要があり、なんとか日帰りできる行程にして実施した。時間的な理由で、三方石観音から観音川右岸の尾根を往復する。 「三方」駅を10時過ぎに出発し、弘法大師ゆかりの三方石観音へ。不動岩に一夜で彫られた観世音菩薩が本尊で、境内の下方には伝説の由来になった妙法石(鶏鳴石)がある。本堂の裏に広がる自然林は好ましく、ジグザグに歩きやすい道がつづく。日陰ながら、湿度と温度が高いため汗が全身から吹き出す。第3展望台まで来ると、風が通りはじめて少し落ち着いた。 アカマツ主体の林が広がると方向が変わり、628m標高点に向けて登りがつづく。ピークで昼食の休憩をとり、ここからは飲物だけを持って頂上を往復。標高が上がるとブナ林になって行動もはかどってくる。方向を変えながら13時25分に二等三角点の頂上へ達した。北東側の一部が開かれており、敦賀湾や野坂岳を望むことができる。 登ってきたルートだけに、花に目をやりつつ臥龍院にも寄って、2時間余で駅へ戻ることができた。フェーン現象なのか、蒸し暑さに翻弄された一日だった。途中でリタイアされた方があったものの、深刻な体調不良とならずに済んでホッとした。この日を最後に、しばらく「低山歩き」は夏休みに入る。 翌28日。左足の脹脛(ふくらはぎ)がいつまでも痒いので見てみると、マダニが付いている。さっそくワセリンで覆い、20分ほどかけてピンセットで除去した。これから3週間ほどは体調チェックが必須。感染症の発症がないことを願う(2023.6.27)。 |