「上毛三山」のひとつに数えられる榛名(はるな)山(ほかの二山は、赤城山・妙義山)は大きな火山で、カルデラ湖(榛名湖)のそばに中央火口丘の榛名富士があり、周囲を外輪山が取り囲む。最高峰は掃部ヶ(かもんが)岳で、尖峰の相馬山や溶岩円頂丘の烏帽子ヶ岳などがよく目立つ。また、中腹にも側火山がいくつもみられ、遠くから見れば連峰といってもよい山容を示す。 1日目は鬢櫛(びんぐし)山と烏帽子ヶ岳に登って榛名湖畔で泊まり、2日目に榛名富士から沼ノ原を横切って三ツ峰山へ。磨墨(するす)岩を経て相馬山に登頂したあと、ヤセオネ峠から二ツ岳へ登り返し、鷹ノ巣風穴から伊香保温泉をめざす。3日目は掃部ヶ岳から季ヶ(すももが)嶽(杏ヶ岳)に登り、杖ノ神峠・天神峠を経て榛名神社へ下山する計画にした。残念ながら、2日目から天気が崩れ、3日目は湖畔の道路が通行止になったので、はずせないピークと見どころを優先して予定を見直す。 一番の印象は全山を彩るツツジ。中腹からミツバツツジの鮮やかなピンクに包まれ、湖畔から上部はヤマツツジの朱色が映える。さらに標高が上がるとトウゴクミツバツツジが咲き誇り、各所で花のトンネルになっていた。これほどまでの景観とは思いもよらず、見事と言うほかない(2023.5.12〜5.14)。 |