『森の巨人たち』『若狭の山』『海をながめる山歩き』など、自らの視点と登山観をまとめた書籍を多数執筆されている草川啓三さんからお誘いを受けた。 趣旨は、リトルプレスマガジン(小部数発行の同人誌)で「いろいろな方が集まって、それぞれの好きなテーマで発表するという本です。最高72頁くらいでオールカラーのグラフィックな雑誌のようなものをつくりたい」とのこと。そういう仕事は大事だし、私が長年携わってきた分野とも重なる。ぜひ参加したいと返事をした。 ところが、あらためて探求しているテーマは何だろうかと振り返ってみると、関心事はいろいろあるもののどれも中途半端でしかない。失われつつある地名を考えれば、早く発表する必要がある白川の御領山について、現況をふまえて課題を述べることにした(10ページ)。今後、何らかの成果に結びつけば意義もあるだろう。 「このごろはこんな馬鹿なことばかりして過ごしていますが、老化を遅らせるには少しは役に立っているのでは」と謙遜される氏だが、興味を持ち、身体を動かし、頭と手を使う活動は、我々の世代にとって最も大切な事柄ではないだろうか。いま、楽しみがひとつ増えた。
内容は次のとおり。問い合わせは、工房 森のしずく(〒525-0066 滋賀県草津市矢橋町1475)まで。 特集1=台高山脈に眠る木材乾留工場と第一次世界大戦/特集2=源流への旅の中で/近江旅のスケッチ「金勝アルプス・天狗岩」/旅のおみやげ/琵琶湖比良山トラバース/春 光に包まれる山/巨樹に出会う山旅/私の桃源郷 |