2年前の4月に行った白尾山(南丹市美山)がよかったので、日曜日のトレッキング講座で再び計画した。茅葺民家が建ち並ぶ北(集落)から津ノ本谷川を遡り、登頂後は青谷川へ下山して大内(集落)までの行程にする。時間的にも余裕があるので、集落内の散策や花を愛で季節の写真を撮りたいとも目論んでいた。 ところが、現地に近づくと今冬の雪による災害の爪痕が目につく。初めのうちは大木が一本ずつ倒れているような状況だったが、徐々に複数の木がまとまって倒れた光景に変わる。上流の小滝を過ぎると、斜面をトラバースする古い道が心細い状態になって、仕方なく登りやすい斜面を直登する場面も出てきた。落葉広葉樹林になって、やっと安定した道になる。白尾山と鉢ヶ峰の鞍部へ達すると、オオイワカガミとコバノミツバツツジが花を咲かせていた。心安らぐひとときにホッとする。 花が咲く尾根のアップダウンを繰り返して、2時間45分で頂上に着いた。幸い天気が持ち直して周辺の山々を望めるようになる。砂木谷一帯は伐採され、植林から年月が経っていないので若丹国境稜線の背後に青葉山の山頂がわずかに覗いていた。 ツツジの花の下を降る尾根道は快適だったが、青谷川の谷筋へ出る斜面からまた倒木が現れる。なかには何本も大きい幹が積み重なったり、踏み抜いたら水の中へはまるケースも出てきて、わずかな距離でも思いのほか時間がかかるようになった。これほど酷いとは思いもよらなかった。ここは安全第一なので、慎重に一つずつクリアしていく。 川沿いの林道も倒木ばかりで、歩きやすいところをつないで下山するしかない。由良川の川辺(右岸)にある標識まで頂上から1時間40分かかり、橋を渡って集落へ着いたのはバスが出た直後だった。 北山や丹波高原では今冬の雪による災害が発生しており、地域によっては被害の程度も大きな差がある。これまでに『京都一周トレイル』の北山西部コースや京北コースの状況は把握していたが、この山域への山行は十分考慮する必要があることを思い知らされた。ヒルはすでに活動を始めており、この日も血を吸われた方が発生。地元の方が「ヒルの宝庫」と言われるバス停の道路上でもうごめいていた(2023.4.16)。 |