このところ、東山三十六峰を中心に周辺の見どころを巡るハイキングの依頼がいくつも入って、『京都トレイルガイド協会』の会員は案内がつづく毎日を過ごしている。花の季節だけに、東山の丘陵と山を各地から訪れた複数のグループが行き交う状況だ。加えて、海外からの観光客やトレッカーも増えているため、コロナ禍では見られなかった混雑と光景に戸惑うことも多い。 粟田口から東山山頂公園を経て清水寺へ行ったり、伏見稲荷大社と泉涌寺をつないで参拝したり、『京都一周トレイル』(東山コース)は、名前で人々を集めることができる素材だとあらためて感じる。企画によっては、有名店の料理を味わったり、ホテルでゆっくり滞在時間を過ごしたり、マニアックな歴史的要素を探索するなど、興味深いテーマがいろいろ設定されている。なかでも、遠方からのツアーはリピーターが多く、京都在住の者より詳しい方が目立つ。 みなさんを案内していると、今春はもう初夏といえる景色へ変わっていることに気づく。例年に比べ、季節は2週間程度早く進んでいるようだ。頻繁に歩くことで、これまで見過ごしていた道端の植物との出合いもあって、私にとっても楽しみなコースとなっている(2023.4.9/4.10)。 |