富田林の最高峰は金胎寺(こんたいじ)山で、楠公(楠木正成)ゆかりの地として知られる。急峻な地形を利用した城が築かれ、地元では城山と呼んで親しまれる。鞍部を挟んだ北側に嶽山があり、ここには龍泉寺城があった。どちらも眺望に恵まれるので、好天を期待して陽だまりハイキングに出かける。 「河内長野」駅の東口から諸越橋で石川を渡って北東に向かい、嬉(古くは宇礼志)の集落からまず金胎寺山に登る。寺院跡や城趾の説明を見ながら、開けた山頂まで30分ほどの道のりである。金剛・和泉の山稜が一望できたものの、大阪湾側は霞がかかってあまりハッキリしない。 下山したら地元の方から散策用の資料をいただいた。腰神(こしがみ)神社は千早丸の伝説(腰を痛めた正成の愛馬を、藤の木につないで祈願すると完治した)があり、樹齢700年といわれるフジの古木が見事だ。目白不動尊(願昭寺)の参道に入り、境内を横に見て山道を進む。城山の果樹園を通過し、龍泉寺の入口から道路を折り返して北へ。山上に建つホテルの外周を回ると広い嶽山の西のピークに着いた。再び見事な眺めが展開する。昼食後はサクラの大木と龍泉寺城址(嶽山城跡)の標石が立つ東のピークにも寄った。 時間に余裕があるのでそのまま下山するのでなく、瀧谷不動尊を回って「滝谷不動」駅をめざす。高校の建物の際から谷筋に下ると、自然保護グループが管理する里山風景に変わり、池にはヤマアカガエルの卵塊が数多く認められた。植物や生きもののことをいろいろ教えていただく。参拝の人々で賑わう瀧谷不動尊に立ち寄り、東高野街道が通る錦織(にしこおり)まで歩いた。 解散後は一人で錦織公園の展望台に行き、きょうの行程を振り返る。梅林ではスイセンの花も咲き、暖かい春の空気に包まれていた。寺ヶ池の畔を経て「金剛」駅へ出る(2023.2.28)。 |