高野山と西吉野の間にある富貴(ふき)は、弘法大師ゆかりの地で天辻峠にも近い。マツタケの産地であり、コウヤマキも出荷される。東側には和歌山・奈良県境に防城峯(砦跡)があり、西側は高野町と橋本市にまたがる七霞山が代表的なピークである。 谷奥深(たにおぶか)の深い谷筋から上ると、山々に囲まれた標高500mを超える盆地が現れる。開けた平地に民家が並び、景観はどこか懐かしい印象を受ける。 富貴郵便局の前から民家の間を峠道へ。よく手入れされた植林地で、途中に龍王祠へ直接登る道が分岐し、峠道は山腹をトラバースする。 上筒香(かみつつが)峠の十字路から雨乞峰に向かい、別当ヶタワで昼食の休憩をとる。午前中は小康状態だったが、正午を過ぎると風雪が強まってきた。見ている間に一帯が真っ白になり、気温が低いせいか雪質がとてもよい。キュッキュッと音を立てながら尾根を西に進む。林道に出てピークを迂回してから山頂へ折り返して登頂。雪があるため二等三角点を見つけるのに時間がかかった。 送電線と林道が交差する地点から地形図どおりに山麓へ下山するが、あまり利用されていないのか倒木がところどころ道を塞ぐ。732m標高点近くでは、尾根から谷へ降りるルートも異なっていた。雪景色の集落を散策しながら、富貴郵便局まで戻る。夕方からさらに冬型が強まるため、早々に帰宅の途へついた(2023.1.24)。 |