眼病平癒の祈願所である楊谷(ようこく)寺は、柳谷観音として一般に知られている。「京都再発見」の講座で、久しぶりに小倉神社から浄土谷を経て参拝した。その後は、「西山古道」で小泉川の流域に下って長岡天満宮まで歩く。時間とともに天気がよくなり、風のない尾根筋では春を感じさせる場面にも出合った。 式内社である小倉神社は、平安京の南西の鬼門除けとして奈良時代に祀られた。いつ来てもよい雰囲気に包まれている。尾根に登ると京都盆地南部の景観が広がる。天王山への道を分け、浄土谷への心地よい尾根を降る。集落から周囲の竹林を見ながら柳谷観音へ向かった。 この日は参拝者が多く、送迎バスに列ができ山門前では露天も出ていた。拝観料が必要になった境内を、本堂から奥之院まで上る。北側の斜面からは、比良・比叡の山なみを望むことができた。日射しも強くなって、青空に雪を纏う山々が輝く。 門前に戻って、善峯寺へ向かう山道の分岐から立石橋をめざす。初めは林道や作業道が錯綜するのでルートの見極めが重要だ。尾根筋はコナラとコバノミツバツツジが目立ち、228m標高点手前の鞍部から谷筋に降りると植林地で暗くなる。立石橋付近の渓流は美しく、西代里山(にしんだいさとやま)公園の横を通って奥海印寺の住宅地に出た。 長岡天満宮までの道筋では、柳谷観音への標石と常夜燈が確認でき、古くから信仰されてきた歴史を感じる。長岡公園では、紅白の梅花が咲き始めていて、日だまりハイキングのフィナーレを飾ってくれた(2023.1.17)。 |