武尊山から大沼湖畔に移動し、翌日は同じく上州の名山である赤城山へ行く。広い裾野を持つ火山でカルデラと外輪山が美しい。 天気がよければ外輪山の出張山・薬師岳・陣笠山と繋ぎたかったが、遅くなるほど本降りの予報だったので、まず最高峰の黒檜(くろび)山をめざす。登山口から樹林帯を登ると猫岩に出る。大沼が見えたのもこの辺りまでで、以降は雲の中を歩く。火山特有の岩が積み重なるルートが山頂近くまでつづく。展望台のある北側の尾根の先まで行ったものの、ガスで何も望めなかった。大ダルミから駒ヶ岳に登り返し、傾斜の強い斜面はハシゴで降る。 覚満淵近くのビジターセンターで休憩し、午後はまず赤城神社を往復する。旧社地の近くから中央火口丘の地蔵岳へ直登コースを登ると、ここも岩が積み重なる地形がつづく。傾斜が緩くなり、電波塔が近づけば一等三角点のある頂上だった。石積みに囲まれて石仏・石塔・水盤が点在する。表側の道を八丁峠に降り、小沼を見てビジターセンターに戻る。一般に大沼・小沼は「おおぬま」「こぬま」と呼ばれるが、地元では「おの」「この」と称すようである。 この日は中腹の赤城温泉に泊まり、翌朝は三夜沢(みよさわ)の赤城神社に参拝した。全国に300社ほどある赤城神社の本宮とされ、落ち着いた境内が好ましい。本殿前の「たわら杉」が見事だ(2022.10.7)。 |