「北信五岳」のひとつに数えられる飯縄山(飯綱山)は、高校時代のスキー合宿以来だ。その時は越水ヶ原を拠点に瑪瑙山などへ登ったが、荒天で山頂直下から引き返した。 長期の山行を考えていたが、この8月は不安定な天気がつづき日帰りで登れる山に目標を変える。未踏の斑尾(まだらお)山も一緒に行けば、「五岳」(他は妙高山・黒姫山・戸隠山)を完登できるので、気象情報を毎日確認して出発日を決める。 一の鳥居苑地から飯縄神社奥宮への参詣道を登ると、十三佛の石像〔文化13(1817)年建立〕が現れる。道標でもあり、駒つなぎ場(六合目)からは急な斜面を折り返す。途中に水場が2箇所あって、やがてお花畑が広がる尾根に出た。秋の草花が色とりどりに咲き誇って、よい雰囲気に包まれる。 2時間ほどで頂上に着いた。時間があるので北側にある霊仙寺(れいせんじ)山を往復する。尾根筋は岩が連続し、黒姫山の外輪山を歩いているようだ。登り返して山頂近くになると飯綱町からの道が合流し、眼下に北信濃の風景が開けていた。マツムシソウとウメバチソウが目立つ。なお、山麓の集落は霊仙寺(りょうぜんじ)と読む。 飯縄山に戻って瑪瑙山への尾根を進むと、群生するトガクシコゴメグサに何度も出合う。頂上に着けば西面直下までリフトが設置されていた。当時は何もなかったように思う。スキーコースで怪無(けなし)山との鞍部まで降り、南斜面の落葉広葉樹林に入る。よく踏まれた道を折り返すと用水路が現れ、「せせらぎの小径」と名づけられた道で中社に下山した。 長野市街へ帰る途中に、城山(じょうやま)公園で下車し善光寺を参拝する。境内や仲見世は人々で賑わっていたが、宿坊の並ぶ道は日常の静かな光景に浸ることができた(2022.8.22)。 |