植栽されたキレンゲショウマを見て、自然のものとぜひ対面したいと思っていた。調べてみると、紀伊山地から四国・九州のブナ林(石灰岩質)に自生するものの、分布域は限定されるらしい。ならば、保護区域でも出会えればと考え直し剣山を目的地にする。 刀掛ノ松から古劒神社への道を進むと、すぐに群生地が現れた。大半は蕾だが、日当たりのよい場所は咲き始めている。みんなで、どれが美しいかを評価しながら行場へ向かう。この花を目的に訪れる人は多く、細い道でのすれ違いはなかなか困難だ。付近では、カニコウモリがあたり一面に白い花を咲かせていたり、テンニンソウやギンバイソウ・ツルギハナウドなどが確認できる。小さなヒメフウロとも出会うことができた。 今回の周回コースで特筆すべき植物は、やはりシコクフウロであろう。全山でお目にかかることができる。また、クガイソウ(「ナンゴククガイソウ」)も美しい穂を伸ばしている。ノアザミの変種とされるトゲアザミは鋭いトゲが特徴だ。 一ノ森から二ノ森にかけて、ゴヨウマツやシコクシラベが点在する。なかでも、南西面は「槍戸林木遺伝資源保護林」として針葉樹林が広がっていた(2022.8.6〜8.7)。 |