以前にも君尾(きみのお)山へ出かけたが、二王門(仁王門)が修復工事中で対面できなかった。そこで、「京都再発見」の講座で光明寺を再訪する。聖徳太子の開創とされ、古くは山全体に伽藍が広がっていた古刹である。 あやべ温泉から車道で尾根に上り、君尾山口(有安)からつづく旧参道と合流する地点から千体地蔵堂へ向かう。駐車場からの現参道に出合うと、すぐ先に鮮やかな朱色の二王門が現れた。鎌倉時代に建てられた二層式の立派な造りで、屋根が栩(とち)葺なのも珍しい(国宝)。「仁王さん」(重要文化財)が門の後方に配置され、前の間が床張りなのは建立の時代を示す重要な要素だという。 門をくぐると境内の参道周辺が開かれていて、明るい斜面にタケニグサとジギタリスが繁茂していた。どちらも荒地などを埋め尽くす。庫裡を右手に見て石段を登ると本堂の前に着いた。江戸時代後期に再建された重厚な建物で、細やかな彫刻が特徴的である。近くに宝篋印塔・太子堂・鐘楼が点在する。 東端から山腹を回り込むとスギ・モミの巨木群が視野に入る。幹周りが5メートルを超えるモミもあった。そのあと上部の林道に出て、「大トチ」「大カツラ」「小トチ」などを見て回る。最後はバスの時刻に間に合うよう、君尾山口へ降る旧参道を利用した。四十四体の地蔵石仏と弥勒堂が途中にあった(2022.6.21)。 |