リクエストに応えて敦賀半島の西方(さいほう)ヶ岳から蠑螺(さざえ)ヶ岳を縦走してきた。8年ぶりである。西方ヶ岳は「敦賀三山」(あとの二山は野坂岳・岩籠山)の一峰に数えられ、海辺から直接に登るためなかなか骨が折れる。行動時間も6時間半は見ておく必要があり、日帰りのトレッキングとしてはハードルが高い。 気比(けひの)松原を眺めながら敦賀駅からアプローチをはかる。常宮神社(常ノ宮)に参拝してから出発。標高差が大きいのと気温・湿度が高いのでゆっくり進む。途中の展望がきく岩場や水場では必ず休憩した。ブナ林になると風が通り抜けて気持ちよい。ツツジやササユリなど、草花が行程のしんどさを慰めてくれる。 昼過ぎに西方ヶ岳の避難小屋へ到着し、昼食の休憩と二等三角点を往復した。午後は、コアジサイやエゴノキの花を愛でながら蠑螺ヶ岳に向かう。ブナ・ヒメシャラ・ミズナラの樹林がつづく。途中で稜線の西側にあるオウム岩へ寄り、丹生ノ浦を見下ろした。蠑螺ヶ岳の三等三角点は眺めがよくないので、北西側の尾根にある露岩に登って最後の眺望を楽しむ。 長命水の谷間で休憩したのち、浦底まで400m以上を慎重に降る。傾斜が緩くなった辺りで、熱中症の前兆と思われる事態が発生。なかなか本人は気づかないが、前後の方の指摘が功を奏した。参加者から冷たい飲み物や冷却剤を提供してもらい、現場でクールダウンの処置をして集落に下山する。 誰しも、身体がまだ夏の仕様になっていないこの時期。低山の山行はいっそう注意が必要だ。年々、厳しくなる印象が強いので、登山・トレッキング講座は今夏からリスクの高い2ヶ月間を取り止める。今回は大事に至らずに済んで安堵した(2022.6.19)。 |