舞鶴と宮津の間には、大江山から由良ヶ岳に連なる山稜が起伏を繰り返す。普甲峠の東側には杉山や赤岩山があり、間の宇野ヶ岳は舞鶴市の最高峰である。由良川西岸の岡田川を遡り、平(だいら)川の源流に位置する西方寺平(さいほうじだいら)を起点に赤岩山から西へ向かう。帰路は両山の鞍部近くから林道へ降り、緩やかなルートで西方寺平へ戻った。 西方寺(上)から谷の上流をめざすと南向きの開けた斜面が広がり、養鶏場や棚田が点在する空間に変わった。集会所から田畑跡の植林地を谷沿いに登り、まず支尾根の末端にある愛宕神社へ行く。訪れる人は既になく、倒壊した祠の材木が折り重なるだけである。林道と交差して標高520メートル付近で赤岩大権現の鳥居と出合う。上部は伐採地になって斜面は赤土と大きな岩がめだつ。傾斜が緩くなると庭園のような林になった。手水(ちょうず)鉢や立てり岩と表示された岩の側を通り、山頂直下は東にトラバースして赤岩大権現の岩に達する。 北側は阿蘇海(あそのうみ)・宮津湾・栗田(くんだ)湾を眼下に、遠く丹後半島や冠島が望める。付近には、木魚岩・展望岩・回り岩・挟み岩・覗き岩などがつづく。頂上はその西側で、初めて青葉山や舞鶴方面を見ることができた。国有林の標識から西側は落葉広葉樹林に変わって、雰囲気のよい稜線が延びる。天然のスギも混じり、林道への道を左右に分けると宇野ヶ岳に着いた。天橋立がいっそう近づき、宮津の街並みが足元に広がる。 最高地点の杉山山頂付近は、蛇紋岩などで構成された凹地や大岩が点在する。少し西には風穴もある。市境近くから北面を降って天狗大杉まで往復した。周辺にはスギの巨樹が何本もあり、見事な景観を呈している。 往路を引き返して鞍部近くの稜線から西方寺林道の終点へ向かい、林道を赤岩小屋から集落まで歩く。沿道ではこの季節らしい花とあちこちで出会うことができた(2022.5.20)。 |