岐阜県池田町の池田山は、奥美濃の入口にある山としてよく知られている。濃尾平野を前に900mを超える標高があるため東面の展望がすばらしい。道路があって、簡単に行けるので無雪期に登ろうとは思わないが、残雪のこの季節なら楽しめると考え実施した。霞間ヶ渓(かまがたに)と不破ノ滝を一緒に歩いたのは若い頃だが、遠くの山々が白銀に輝く風景は強く印象に残っている。今は中腹に「池田の森」があって、パラグライダーや夜景スポットとして人気があるらしい。 麓の桜の名所からは、折り返しながら歩きやすい道がつづく。元は山仕事用だったのだろう、緩い傾斜で登っていく。標高530m辺りから積雪が出てきて、その後は尾根と道路を交互に歩く。焼石神社は雪に足を取られながら参拝した。途中で何箇所か周囲を見渡せたが、東側と南側は霞みで遠望がまったくきかない。山頂の展望台も周りの樹木が成長して叶わなかった。 久しぶりに揖斐川流域の山と対面して、あれこれ記憶が蘇る一日になった。なかでも、雷倉・花房山・小津権現山の三座が目を惹きつける。今冬の積雪深は近年とはまったく異なっており、よく出かけていた頃を思い起こさせた。山麓に広がる茶畑や麦畑とのコントラストもよかった(2022.3.11)。 |