日曜のトレッキング講座で、久しぶりに生駒山系を歩いてきた。鳴川峠から十三峠にかけてのエリアで、これまで未踏の神立(こうだち)山にも寄ろうと計画する。大阪と奈良を結ぶ古くからの道が何本も通り、歴史や文化をテーマにしてもおもしろい地域である。 古墳のある瓢箪山稲荷神社を出発し、二本松古墳から六万寺ハイキングコースに入ると途端に景観が変わる。「なるかわ園地」の上部で縦走路に合流した。雰囲気のよい尾根筋を「鐘の鳴る展望台」めざして南下。強い風が吹くなか、最高部の先端から景色を眺める。大阪の平野部を除き、東側を中心に山々を目にすることはできなかった。六甲や北摂は何度も雪雲に覆われる。 438mの丘に十三塚の標石(親塚)があり、南北それぞれに六基ずつ子塚が並ぶという。ここは、玉造(大阪市)と龍田(奈良県平群町)を結ぶ十三街道〔 俊徳(しゅんとく)街道〕の峠で、石仏や松尾寺への古い道標が現存する。天理(奈良県)にいた在原業平(ありはらのなりひら)が神立(大阪府八尾市)へ通った道ともされ、大坂から伊勢へ向かう街道のひとつでもあった。 神立山の山頂へは、薮に覆われてルートの選択が難しい。樹林帯を選んで登頂する。経ヶ塚(三等三角点)から信貴生駒スカイラインに明瞭な踏跡がつづいており、せっかくなので少し南側にある十三峠展望台にも寄った。 峠道に戻り、水呑地蔵から茶屋辻跡へ下山する。道筋には弘法大師と番号が刻まれた石像や丁石がつづく。玉祖(たまのおや)神社に寄って、クスノキの巨樹(府天然記念物)や鶏たち(長鳴鶏)と対面した。神社名から勾玉などを作る玉造との関連が想像でき、古代からつづく道として興味深い。周辺は菜の花や梅の花が美しく、高台から見下ろす風景にも春が感じられた。芝塚古墳などを見ながら服部川へ向かう(2022.2.20)。 |