金剛山頂から、坊領山を経て楠木城(上赤阪城)跡の尾根を歩いて、北側のこの道が気になっていた(→金剛山の長い道)。 そこで、奥赤坂山から建水分(たけみくまり)神社まで歩いてみる。入山は青崩(あおげ)道を使って、これまでと重ならないルートにした。登山口はさすがに車と人が多く、金剛山の人気ぶりがうかがわれる。急峻な尾根道には、枯れた葉と赤い実をつけたマムシグサが点々と見られた。二河原邉(にがらべ)・水分(すいぶん)道と合流し「屏風坂」を降ると、新しい「頂上迄二拾町」の標石が立っている。奥赤坂山の頂上は登り返した地点だった。 昼食後は復活した古道を進む。深く掘り込まれた区間は荒れているところもあり、迂回路が高い位置につけられている。途中に四十町の古い標石が残っていた。二河原邉山の四等三角点に立ち寄り、傾斜が緩くなるとヤスンバ(休場)に出た。駒札には「水分の社より(山頂まで)六十六町」と記されている。葛木神社の登拝道としてよく利用されたことがうかがえる。地元の方々によって、「令和の町石道」として復活したことは喜ばしい。 二河原邉の旧道を降っていくと、楠公六百年祭記念塔(奉建塔)が山手にあった。集落の中を折り返しながら建水分神社に立ち寄り、音滝橋にある水分バス停に向かう。下を流れる水越川は小滝になっていた(2021.11.23)。 |