今回は大峰山脈最南部の玉置山を出発し、大森山・大水ノ森・五大尊岳・大黒(大黒天神)岳・七越(ななこしの)峰を経て備(そなえ)崎に降った。最後は熊野川を徒渉して大斎原(おおゆのはら)へ参拝する。 玉置山展望台から山頂へ向かうと、広葉樹の林でよい雰囲気が漂う。玉置神社の神域になると巨杉も目立つ。参拝者の姿は多いが、大峯奥駈道に入れば途端に静寂が支配する。犬吠(いぬぼえ)檜から本宮辻に出て、大森山へ山腹をトラバースしていく。第九靡の水呑宿を過ぎると約200mの登り坂が待つ。 旧篠尾(ささび)辻辺りからは、新宮市側の景色が近づいてきた。子ノ泊(ねのとまり)山や那智山一帯の峰が連なり、烏帽子山の三角形も望むことができる。大森山と三等三角点のある大水ノ森を越えれば第八靡(なびき)の岸ノ宿だ。 篠尾辻から岩の目立つ尾根を登ると第七靡の五大尊岳で、川幅のある熊野川の蛇行がよくわかる。「貝ずり」など難所がつづく。ロープが張られた岩とザレの急坂を慎重に降り、第六靡・金剛多和(六道ノ辻)の石室に着いた。 二等三角点が設置された第五靡の大黒(大黒天神)岳を過ぎると、里を間近に見下ろすことができる。山在(さんざい)峠から第四靡の吹越山へ登り返し、いったん道路に出たあと再び尾根道を進む。七越峰付近は公園として整備されていた。山名どおり何度も登り降りを繰り返し、備崎の経塚をみて河畔に降り立つ。流れの緩い場所を見極めて渡り、なんとか明るい時間に本宮大社旧社地へ着くことができた(2021.11.13)。 |