初心者向の山登り講座で、私市(大阪府交野市)の獅子窟寺(ししくつじ)周辺を計画した。住宅地のすぐ近くだが、交野(こうの)山や星田山と同様に巨石が点在する山域で大いに楽しめる。既に歩いたエリアを外し、「くろんど園地」とつないで周回する行程にした。 「河内森」駅から天田(あまだ)神社の前を通って急な参道を登る。仁王門跡から北へ少し降ると弘法大師の水が湧き、その先に亀山上皇と皇后の供養塔(王の墓)が並ぶ。付近は僧侶の無縫塔が連なっていた。木造薬師如来坐像(国宝)がある境内に入ると、あちこちに岩場が目立つ。 観音岩・獅子岩から八丈岩に向かい、ステップの刻まれた岩の上へ全員が立った。龍岩窟(りゅうがんくつ)は足場が悪いので省き、ほどなく園地の「こだちの道」に合流する。展望台では奈良方面の山々が近い。 そのあと、送電線の鉄塔が建つ最高地点(318.7m)から八ツ橋に降りた。三等三角点のピークには「普見山」の標識(私設)が付けられていたが、これは獅子窟寺の山号であり山名としては疑問が残る。園地の地図にも「最高地点」としか表示しておらず、点名は「三本松2」である。 黒添(くろんど)池に立ち寄り、月輪滝から「私市」駅に出て解散した。時間があるので、気になる龍岩窟を確認するため再び獅子窟寺めざして参道を登る。土生(どうじょう)川源流の尾根と谷は複雑で、小粒ながら行場一帯はなかなかおもしろい。他に袈裟掛岩・牛臥岩・虎噛岩などの名前も見られるので、あらためて探索するつもりだ(2021.11.8)。 |