有馬温泉で時間があったので、テレビで先日放映していた「高塚の清水」を探索するため魚屋道(住吉道)を射場山に向けて登り始めた。鳥地獄・虫地獄から道を折り返すと、六甲最高峰から下山してくる人たちにたびたび出会う。炭屋道を紅葉谷へ150メートルほど下り、左岸に渡って番匠屋畑尾根へつづく道から離れて清水をめざす。辺りはツリフネソウの大群落。キンミズヒキやノコンギクも多い。 有馬町の前身にあたる湯山町の『湯山町誌』(1884年)に、「本町の南方、鼓ヶ滝より上ること三丁の山間にあり、岩孔より清水流出す」とあって、有馬在住の磯部道生氏によって20年ほど前に特定されたという。「有馬三水」の第一とされ、豊臣秀吉が茶の湯にするため、ここに滞在中はもちろんのこと大坂城からもわざわざ汲みにこさせたらしい。あと二つの名水は、独鈷清水(西宮市名塩東久保)と筒井清水(神戸市北区長尾町上津)とのこと。 現在、六甲有馬ロープウェイの有馬温泉駅から射場山堰堤上流の右岸が工事で通行止になっている。出入口に警備員の姿があるので、工事が終わる来年になってから訪れるのがよさそうだ。今は往復で2時間近くかかる。付近は何度も訪れているが、この湧水はこれまでまったく知らなかった。大汗をかいた後だけに、ゴクゴク飲み干した(2021.9.28)。 |