「信濃富士」と呼ばれる黒姫山は堂々とした山容がすばらしい。中央火口丘は御巣鷹山(小黒姫)で、外輪山のピークの方が高い。昨日までの火打山・妙高山は新潟県だが、関川を越えると長野県である。帰路に日程をもう一日とって登ることにした。 コースは黒姫高原からの小泉登山道で山頂に達し、しらたま平から新道で大橋に下山する。コスモス園を右手に見ながら、山へ向けてスキー場を直線状に登り始めた。ゲレンデやスキーコースは草が刈られているので歩きやすいが、日差しをまともに受けるのでなかなか厳しい。ケルンのある姫見台近くで樹林になり一息つけた。越見尾根まではトラバースの道で、火山岩にシダやコケの緑がきれいだ。急な250メートルの標高差を登ると黒姫乗越で、オオシラビソやコメツガの薫りに包まれる。木の根と岩の歩きにくい尾根を進むと、右手には御巣鷹山(小黒姫)や大池が眺められた。表登山道が東から合わさるとほどなく頂上に着く。頻繁に雲が覆うため、展望は期待したほどでもなかった。 時間があれば大池か古池に寄りたいところだが、夕方の列車で帰途に着くため歩きやすい最短コースを利用する。尾根では強い獣の匂いがあり、音を発しながら曲がり角に注意して進む。しなの木まで降ると見事な樹林になった。気持ちのよい大橋林道を、時間を見ながら大橋まで歩く(2021.9.20)。 |