旧瑞穂町(現京丹波町)の質美(しつみ)にある八幡宮の参道を歩きたいと思い、「京都再発見」の講座で取り上げた。一ノ鳥居から本殿に向けて、幹周5メートル前後の巨樹を含むスギ・ヒノキ並木があって、見事な景観をとどめている。広い境内をめぐりつつ、各社の参拝と鎮守の森を楽しんだ。 本殿は寛政8(1796)年の再建だが、屋根に覆いがある産子集会所は室町時代の建物だという(ともに府登録文化財)。曳山を入れた蔵を見ると、例大祭も体感したくなった。写真を見ただけだが、四基の曳山鉾と四台の屋台が練り歩く古式ゆかしいもので、綴織の見送幕で飾られた様式は「祇園祭」を彷彿させる(京都府登録無形民俗文化財)。古くは石清水八幡宮の荘園だったので、壮大な規模と豪華さが伝えられているのだろう。 帰途は旧質美小学校に立ち寄り、田園風景を見ながら「下山」駅へ戻った。時間があるので、国の重要文化財に指定されている渡邊家住宅(丹波地方の典型的な民家)と大福光寺(本堂=毘沙門堂と多宝塔)まで足をのばす。また、河岸段丘上を走る山陰本線の高屋川橋梁も見に行った。39メートルあり、余部鉄橋に次ぐ高さらしい。まさに、再発見の一日だった(2021.9.14)。 |