探山訪谷[Tanzan Report]
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 No.690【ヒヨドリの巣】
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残された巣(6.30)
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風切羽(左翼)
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 鋭い鳴き声で、サクランボの木にヒヨドリの巣があることを知った。庭木の剪定をしていて警戒されたから。数年に一度の頻度で営巣するが、今年はまったく気づかなかった。しばらくは近づかずに見守るしかない。
 それから3日後(6.28)の午後。突然、けたたましい声が響いた。尋常でないのを感じて木の下から見上げると、シマヘビが巣の縁を越えて頭を中に入れている。手が届く高さではないので、箒を持ってきて蛇を地面に落とした。上部はナンキンハゼの枝が覆っており、カラスなどに狙われることはないと思っていたが、まさか下から伏兵が襲うとは考えもしなかった。飛び去った親鳥は、暗くなる直前に戻ってきた。尾羽をこちらへ向けて巣に収まる。
 翌朝に確認すると姿はなかった。気になるが、この日は一日出かけるので放棄せず無事でいてくれるのを祈るしかない。家族によると、姿を見ることはまったくなかったらしい。次の日に脚立を立てて覗くと、卵がすべて無くなっていた。産卵はだいたい4個だという。鳥が逃げたあと、離れた場所から3個あるのを確認したが、すでに1個を取られたか、もう1個を産もうとしていたのかはわからない。物干し台に羽が1枚落ちていた。下が透けて見えるのでヒヨドリのものだろう。心配だが、別の場所で元気に生きてくれることを望むばかりだ。それにしても、樹上の鳥を感知する蛇の能力には驚かされる(2021.6.30)。
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