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田中澄江著の『花の百名山』で取り上げられた根子岳。誌面では初秋のウメバチソウを紹介している。出かけたのは6月なので、異なる花を期待していた。この季節の主役は、やはり高原を埋め尽くすレンゲツツジだろう。花の色には濃淡があって、バラエティに富む光景が現れる。標高1,900mを超えると少なくなったものの、代わってムラサキヤシオ(ミヤマツツジ)の赤紫が目立ってくる。 草地から岩礫帯は小さな草花が多くなり、山頂ではミヤマハタザオがかたまって白い花を付けていた。四阿山(あずまやさん)では、ミネザクラがたくさんの花を付け、思いがけず花見の時間が持てた。風のあたらない日向を中心に、根子岳より多くの花が咲いている。中四阿山への途中では、ハクサンチドリが幾つもあった。この辺りは初夏まっただなかの景観である。また、ズミ(コナシ・コリンゴ)とも出会った。リンゴのような白い花のかたまりは、なかなか見応えがあって信州らしい。 大明神沢の樹林帯に降りると、林床に木陰を好む植物を見る。園芸種だと思われるクリンソウもあった。牧場から下部でも、高原に似合う花(植栽品)が確認でき、関西にはない風景を堪能する。なお、前日はこれまで通過するだけだった上田の城下町を散策して、これもまたよかった(2021.6.18)。 |
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上田城跡公園(本丸の隅欠=すみおとし=土塁) |
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明治38年の木造5階建繭倉庫(常田館製糸場=重要文化財) |
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