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熊野古道で最後に残ったルートは大峯奥駈道だ。これまで参加された方から「ぜひ行きたい」と要望が寄せられており、分割して行こうと計画している。第一回は、吉野より入山し洞川までとする。メンバーは女性が中心なので、山上ヶ岳の代わりに「女人大峯」の稲村ヶ岳へ登ることにした。 古くは熊野から吉野へ向かう順峰(じゅんぶ=峰入修行)が中心だったが、近世以降は逆峰(ぎゃくぶ)が一般的になったといわれる。その本来の出発地は「柳ノ宿」(第七十五靡)だが、吉野山(青根ヶ峰)まではこれまでに何度も経験している区間なので割愛した。そのため、金峯(きんぷ)神社(第七十一靡)からスタートした。 心見茶屋跡を経て四寸岩山に登り、足摺宿小屋で昼食。午後は二蔵(にぞうの)宿(第六十九靡=百丁茶屋)から雰囲気のよい広葉樹林を進む。モノレールに沿って急坂を登りきると大天井ヶ岳の頂上に達した。北側には辿ってきた稜線が長く延びている。樹間からは、大日山の岩峰が姿を見せる。露岩と木の根が目立つ道をどんどん下ると、「女人結界」のある五番関に着いた。 トンネル入口から毛又(げまた)谷を林道で下り、山上ヶ岳への道が合流すると母公堂(ははこどう)だ。役小角(えんのおずぬ)の母(白専女=しらとうめ)が祀られている御堂で、あと少しで洞川温泉に入る。 5月3日に「戸開け」がなされており、法螺貝の音とともに修験者の一団が宿へ帰られる場面と出合うことができた。下の写真は標高の低いエリアで咲いていたもの。稜線では花を目にする機会は少なかった(2021.5.8)。 |
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左=ハシリドコロ 右=オオカメノキ |
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左=クロモジ 右=ヤマシャクヤク |
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